回答者:085305 末並 沙智子
課題1
問1 私は美術科だが、まだ専門的な勉強を始める前の高校生の頃に、素描の基礎を習った。鉛筆でのタッチの付け方、画面の中での構図の取り方などを最初に習い、そして”ものの見方”というのも教わった。例えば、目の前に茶筒のような円筒体があるとしよう。それまでの経験で、上面と底面を楕円にしてそれを直線で結べば円筒体に見える、ということは分かっているのだが、よく見ると目線の高さによって上面と底面の楕円のアールは微妙にことなるのである。見ればその通りなのだが、私は言われて初めて気が付いた。
その時点で、私は素描について鉛筆で明暗をあらわす、構図を取ると言うことは(完璧でないにしても)習得していた。そこに新たに”ものの見方”を指導され、気付くことができた。以後、単純な円筒体だけでなく、様々なものを見るときにも、”目線の高さ”に気を配ることができた。
問2 同じく美術について考えてみたい。
因みに素描を指導してくださった先生は、「デッサンはじりじり上達するのではなくて、段階的にうまくなるし、練習をさぼれば反対に下手になる」と仰った。学習者の”気づき”も大切な要素だろうが、指導する側にも段階を追って、といった姿勢が必要だろう。
だからと言うことでもないが、「発達の最接近領域」を拡大させるには、学習者が今どの段階にいるかを正確に見極めた上で、達成可能な指導をするべきだと思う。例えば初めて鉛筆を持った私に、目線の高さによって云々などということを言っても、全く役に立たなかっただろう。こう考えると、白井先生の指導はすばらしかったと思う。
そして、私は人間の発達段階についての考えは、少しだけ信じていて、大部分は信じていない。私程度のデッサン力は中学生でも習得できるだろうし、かと言って幼児には難しいと思う。熱心に指導すれば幼児にも可能なのかも知れないが、困難だろうし、必要を感じない。その点では、発達段階についての考え方は、ひとつの目安になるだろう。