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教育工学・視聴覚教育

第7回目の課題(ek7)

九州大学 久米 弘


回答者:082504 古賀 弘之

問1 今まで自分が行ってきた教授活動の中の「発達の最近接領域」の実例といえば、教育実習中の合唱指導が挙げられます。はじめ、生徒たちは音程を覚えて歌詞をつけて歌うことはできましたが、地声で歌を歌うことしかできませんでした。これが「現在の発達水準」ということになります。しかし、「可能性としての未来の発達水準」として、「響きのある歌声で歌うことができる」ということがありました。そこで、毎時間授業の最初に発声練習を行い、口のあけ方や息の吸い方、腹筋を使って息を上手に使う方法などを教えていきました。また、その結果をカセットテープに録音し、最初の授業の合唱とと現在でどれだけ声の響きが変わったかをフィードバックしてみせました。すると、客観的にも自分たちが少しずつきれいな歌声に変化していることを認識し、生徒たちが声の響きを意識して自主的に練習するようになっていきました。そうなると、こんどはこの状態がまた「現在の発達水準」となり、「可能性としての未来の発達水準」は「曲想をとらえて歌う」「全体のバランスに気をつけて歌う」などとなり、徐々にレベルアップしていくことになりました。3年生などは、はじめから「現在の発達水準」が高かったため、教える側の方が「可能性としての未来の発達水準」を設定するのに苦労しました。教師というのは、「発達の最近接領域」を次から次につないで導いていく責任が要求されるものだと思いました。
問2 「発達の最近接領域」を拡大させるストラテジーというのは、児童や生徒の実態に応じて、スモールステップの原理に従い、少しずつ必要なことを与えていくということが前提にあると思います。まず、興味・関心を抱かせ、実際に出来ることをさせてみて、達成感を得させる。そうすると、次の課題に対しても動機付けが高まり、徐々に「発達の最近接領域」が拡大していくと思います。教科の授業では、このときの興味・関心はある程度限られたものになるかもしれませんが、現在よくいわれる「総合的な学習」の時間において、このストラテジーは特に効果を発揮するのではないかと思います。そのためにも、教師は常に自分自身が興味・関心のアンテナをはりめぐらし、児童・生徒の持つ好奇心とともに学んでいく姿勢が大切になるのではないかと思います。教師の守備範囲が広ければ広いほど、児童・生徒は有意義に自らの興味・関心に応じた学習ができていくのではないかと思います。「総合的な学習」とは児童・生徒の自主性を養い培うためにあるそうですが、教師はこの自主性を促進させるように少しずつ手助けを行っていくことが必要なのではないかと思います。



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